みなさんこんにちは、今日は記者をつとめる麻です。
今回ご紹介するのは、ZENと映像と時間をテーマにした「 絶対の今」展。(10/11まで!)
アツコバルーの個性濃厚なスタッフさんたちにもインタビューをし ましたので、その模様もお届けします。
この展覧会は「絶対の今」を考えてみる展覧会です。ん?「絶対の今」ってどういうことでしょうか?
時間というのは常に動いている無常なもの。
そして何か動いているということは、 何か止まっているものがあるはずなのです。
その止まっているものとは何なのか?
その止まっているものは、時間を構築するひとつひとつの「瞬間」 です。
移ろい行く時間を解体して考えてみると、時間は「静止画」 のような「瞬間の連続」なのです。
その瞬間を「永遠」ととらえ、そしてそれを「絶対の今」 と言ったのが、 日本の禅文化を世界に知らしめた仏教学者の鈴木大拙です。
ちょっと図解してみましょう!こういうことです。
「絶対の今」 展はヴィデオアートによって時間を考えるという展覧会。
そういえば映像だって、たくさんの静止画を並べることによって、 動きを表すメディアですよね。
とにかく「今」なんです。
わたしたちが生きる日々は「今」という絶対的な永遠、 または静止画の連続です。
資本主義に大事なのは「今」にない夢を追わせること。けれども、 そればっかり追っていると肝心の「今」 からズレてきちゃうこともある。「今」に立ち戻って、各々の「 今」を直感的にみてほしい!というのが今回の「絶対の今」 展なのです。
社会に起こる全てのことにおいて「今」 を全力で感じ思考することがいかに大事か、 体感する場だなあと思っています。
「今」に立つ自分がどう考えるか。
それでは展示作品を少しご紹介!
テレザ・ステリコヴァ(チェコ出身で在英生活が長く、感(知) 覚を探求する映像作家)
自分を含めた四世代にわたる家族の記憶とそこに流れる時間を、 感覚に訴えながら魅せるフィルム作品。 美しい映像と美しい女性と美しい伝統衣装とおいしそうなケーキに 引き込まれます。
河合政之(国内外で活躍するヴィデオ・アーティスト)
ギャラリー開場中、再生され続けているヴィデオテープは、 時間が経つにつれて劣化してゆきます。 その様子が3台のモニターにそれぞれに反映されている作品であり 、時間を感じさせる作品です。コードやモニターなど、 配置の見せ方にも注目です。
ガイ・シャーウィン(イギリスの実験映画界を代表する映像作家)
日光が空間を移動していく映像が、和紙に投影されています。 そして、その和紙がぶら下がっているのは、時計の秒針。つまり、 太陽と時計というふたつの時間の流れを含んでいる作品です。 映写機って見ているだけで痺れます。 フィルムがガガガガガと廻る音も心地いい。
ジョージ・バーバー(80年代の英国発祥のスクラッチ・ ヴィデオのパイオニア)
核弾頭を搭載した潜水艦を指揮する船長がシャーマニズムに傾倒し 、トランス状態に陥ってゆく様子を見せるフィルム作品。
赤塚りえ子( 様々なメディアを使用して内なる風景を描出する作家)
ブラックライトで照らされるサイケデリックな仏壇作品。 こんな仏壇見たことない!仏壇の外の世界には時間があって、 仏壇の中の世界には時間がないんだろうか? その境界線を考えさせる作品です。
KAZ(時間を体験型作品等を通して探求する作家)
脳内思考や意識を「外す」体感型インスタレーション。 新幹線からの車窓風景が空間いっぱいにぐるぐるまわり、 平衡感覚がどんどん失われていく。 目で判断することがどんどんできなくなり、 全身で作品と対峙する感覚に。頭で考えるよりもまず、 体が反応する作品です。
これら6つの作品、そして「時間」について、 アツコバルースタッフのみなさんは、 果たしてどう対峙しているのでしょうか?
次回へ続く。
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