2015年9月24日木曜日

「絶対の今~なぜ・いま・ZENと映像なのか」麻レポート

みなさんこんにちは、今日は記者をつとめる麻です。
今回ご紹介するのは、ZENと映像と時間をテーマにした「絶対の今」展。(10/11まで!)
アツコバルーの個性濃厚なスタッフさんたちにもインタビューをしましたので、その模様もお届けします。
この展覧会は「絶対の今」を考えてみる展覧会です。ん?「絶対の今」ってどういうことでしょうか?


時間というのは常に動いている無常なもの。
そして何か動いているということは、何か止まっているものがあるはずなのです。
その止まっているものとは何なのか?
その止まっているものは、時間を構築するひとつひとつの「瞬間」です。
移ろい行く時間を解体して考えてみると、時間は「静止画」のような「瞬間の連続」なのです。
その瞬間を「永遠」ととらえ、そしてそれを「絶対の今」と言ったのが、日本の禅文化を世界に知らしめた仏教学者の鈴木大拙です。

ちょっと図解してみましょう!こういうことです。
「絶対の今」展はヴィデオアートによって時間を考えるという展覧会。
そういえば映像だって、たくさんの静止画を並べることによって、動きを表すメディアですよね。

とにかく「今」なんです。
わたしたちが生きる日々は「今」という絶対的な永遠、または静止画の連続です。

資本主義に大事なのは「今」にない夢を追わせること。けれども、そればっかり追っていると肝心の「今」からズレてきちゃうこともある。「今」に立ち戻って、各々の「今」を直感的にみてほしい!というのが今回の「絶対の今」展なのです。

社会に起こる全てのことにおいて「今」を全力で感じ思考することがいかに大事か、体感する場だなあと思っています。
「今」に立つ自分がどう考えるか。
  

それでは展示作品を少しご紹介!

テレザ・ステリコヴァ(チェコ出身で在英生活が長く、感(知)覚を探求する映像作家)
自分を含めた四世代にわたる家族の記憶とそこに流れる時間を、感覚に訴えながら魅せるフィルム作品。美しい映像と美しい女性と美しい伝統衣装とおいしそうなケーキに引き込まれます。

河合政之(国内外で活躍するヴィデオ・アーティスト)
ギャラリー開場中、再生され続けているヴィデオテープは、時間が経つにつれて劣化してゆきます。その様子が3台のモニターにそれぞれに反映されている作品であり、時間を感じさせる作品です。コードやモニターなど、配置の見せ方にも注目です。

ガイ・シャーウィン(イギリスの実験映画界を代表する映像作家)
日光が空間を移動していく映像が、和紙に投影されています。そして、その和紙がぶら下がっているのは、時計の秒針。つまり、太陽と時計というふたつの時間の流れを含んでいる作品です。映写機って見ているだけで痺れます。フィルムがガガガガガと廻る音も心地いい。

ジョージ・バーバー(80年代の英国発祥のスクラッチ・ヴィデオのパイオニア)
核弾頭を搭載した潜水艦を指揮する船長がシャーマニズムに傾倒し、トランス状態に陥ってゆく様子を見せるフィルム作品。

赤塚りえ子(様々なメディアを使用して内なる風景を描出する作家)
ブラックライトで照らされるサイケデリックな仏壇作品。こんな仏壇見たことない!仏壇の外の世界には時間があって、仏壇の中の世界には時間がないんだろうか?その境界線を考えさせる作品です。

KAZ(時間を体験型作品等を通して探求する作家)
脳内思考や意識を「外す」体感型インスタレーション。新幹線からの車窓風景が空間いっぱいにぐるぐるまわり、平衡感覚がどんどん失われていく。目で判断することがどんどんできなくなり、全身で作品と対峙する感覚に。頭で考えるよりもまず、体が反応する作品です。


これら6つの作品、そして「時間」について、アツコバルースタッフのみなさんは、果たしてどう対峙しているのでしょうか?
次回へ続く。

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